冷たい彼の溺愛は、2人きりのときに。




一生懸命で努力家。
その言葉が嬉しかった。



楠木が私のことを見て、そう思ってくれたことがあれしかったんだ。



「中学は頼られて嫉妬とかなかったから馬鹿みたいにバスケばっかやってたけど、また俺、お前に助けられた時あるんだよ」



「え…?うそ…」



中学になっても?
それは覚えてない。



「一年の途中で一回怪我した時。


バスケしてたら痛みなんて忘れるから、変わらず練習してたらその後足すっげぇ痛くなって。


そしたらお前が部室戻ってる時に声かけてきた。


無理したらダメだって、眩しいくらいの笑顔向けられながら湿布渡されて」



……あ、なんとなく思い出したかも。



楠木が足痛そうに見えたけど、多分休みたくないんだろうなって思ったから、あまり刺激しないように軽い調子で言って湿布渡したような…。