「…バスケ選手に憧れてバスケットボールチームに入って、最初のうちは楽しかった。
好きでやってた感じ。
そしたら先生に褒められて、素質あるって言われて。
自分でも上手くなってる実感はあったし、バスケ始めて良かったって、完全に周り見失ってた」
初めて聞く、楠木の昔の話。
周りを、見失ってた…？
「気づいてなかったんだよ、周りから冷たい目向けられてたの。
小さい頃って素直だから、自分の気持ち表に出すだろ？
それで先生とかによく褒められてた俺のこと、良く思ってない奴が多くて、除け者にされてた」
除け者。
それがどれだけ辛いことかなんて、似たような経験があるからわかる。
それがまだ小学校の時だなんて、きっともっと辛かったはず。
