「あっ、照れた」
頬杖をつきながら、薄笑いを浮かべて見つめてくる。
「い、今すぐ帰れ…!」
「なんで?」
「なんでって、嫌だから!」
「俺は嫌じゃないから」
何という迷惑なやつなんだこいつは。
失礼極まりない。
「もう知らない、勝手にしろバカ」
この場から逃げたくて、キッチンへと向かう。
結局嫌だったけど、楠木の分もちゃんと作ってあげた。
「美味しいかわからないけど文句は言わないでよ」
簡単なものだったけど、一言添えて楠木の前に置いてやる。
しばらくの間、楠木は黙って料理を見つめていた。
早速見た目にも文句言うつもりなのだろうか。
まあいいやと思いつつ、楠木と向かい合って座った。



