お母さんが少しして家を出てしまい、静かになるリビング。



「…なんだよ、そんな顔して」
「怒ってるの」



今日、勝手に家に来たことや、部屋に入って来たことを私は絶対許さない。



「怒ってるって、俺ちゃんと連絡したけど?」
「えっ、嘘だ…!」



急いでポケットに入れてあるスマホを確認する。
なんと、楠木からメッセージが届いていた。



メッセージも素っ気なく、『今日家行くから』という簡単なものだったけど確かにきていた。



「……だ、だからって普通返信くるまで待つものでしょ!」



「お前の寝顔見れるかもって思ったから」
「……最低」



一応乙女である私の寝顔を見ようと、無断で部屋に入ってくるだなんて。



「そんな怒る必要ねぇだろ。
お前の寝顔、子供っぽくて可愛かったけどな」



「なっ…!」



一瞬で顔が熱くなる。