「何言ってるのよ、楠木くんも二人でいたいわよね?」
「そうですね、お気遣いありがとうございます」
こ、こいつは…!
何故そんなことを言うんだ。
第一お母さん、男と二人きりにさせて不安とかないわけ!?
私前回迫られた経験あるんだけど。
じっと楠木を睨むけど、彼は微笑んで爽やかな雰囲気を醸し出している。
冷たい楠木に爽やかなんて程遠いのに。
というかそんな表情できるなら、学校でもしろよって感じだ。
いつも不機嫌な表情ばっかしてるから、嘘でも笑えないのだと思ってた。
「じゃあ二人でゆっくりね〜。
あ、せっかくだから恵美、朝ごはんついでに楠木くんにも作ってあげたら?
朝言いながらもうすぐ昼だし」
嫌だと言い返そうとしたけど、確かに私自身お腹は空いている。
時計を見れば十一時過ぎ。
思った以上に私は寝ていたようだ。



