なんだろう、気持ちいい。
手つきが優しくて、そう…頭を撫でられているような感覚。
これは夢?
じゃあ誰だろう。
この手は一体誰のものだろう。
それを確認するかのようにして、私はそっと目を開ける。
すると…真っ先に視界に入ってきたのは、見慣れた自分の部屋の天井。
「やっと起きた」
なんだ、朝か…………って、ん?
今何か声が聞こえなかった?
ドクンと心臓が嫌な音を立てる。
恐る恐る横を見るとそこには……。
「いやぁぁぁ!!
なんであんたがいるのこの変態!!」
一瞬で目が覚め、飛び起きて反対側のベッドの端まで移動し、ついでに枕を投げる。
夢だと思いたい、けど。
確かに目の前には楠木がいた。
楠木と付き合うって言ってから一週間ほど経った今日。
あれ以来、連絡先は交換させられたけど、連絡は一切とってなかったのに。