「ずっと、好きだったけど」
「え……?」
「中学の時から、ずっとこうなればいいって思ってた」
ポーカーフェイスの楠木だ、表情に騙されてはいけない。
そう思っていても、その真剣な眼差しに捕らえられて逃げられそうになかった。
「ちゅ、中学の時って…」
「でも、お前にはずっと斗真がいたからな」
ダメだ、頭が追いつかない。
楠木の話が本当だったとして、じゃあ彼はいつから私のことが好きなの?
斗真と付き合ってる時も、ずっと好きだったってこと?
必死に中学の記憶を手繰り寄せようとするけど、全くそんな素振りはなかった。
全部楠木の作った嘘に違いない。
第一好きだったら普通話しかけてくるよね。
「絶対嘘だ。
あんたバスケまっしぐらだったでしょ」
バスケ一直線だった楠木が恋してること自体信じられない。