ーーー「お邪魔します…」
楠木の家に行くことは大体予想がついていたけど、いざお邪魔するとなると緊張してしまう。
「部屋、二階の奥だから」
それだけ言って楠木は、一階のリビングに行ってしまう。
え、嘘でしょ?
人様の家だというのに、私一人で勝手に部屋に行けと?
しかもこの家初めてなんですけど…と言いたくても、もうここに楠木はいない。
諦めて、私は二階に上がった。
言われた通り二階の奥に行くと、ドアがあり、恐る恐るドアを開ける。
中を見れば綺麗に片付けられていて、勉強机の上に教科書やノートが何冊かある程度。
本当にここが楠木の部屋で合ってるのかどうか。
それはすぐにわかった。
視界に入ったのは、隅の方に置いてあるバスケットボール二つに、本棚にはバスケ関係の漫画や本が多く揃えられていて、間違いなくここは楠木の部屋だと確信した。



