「こんなに美味しいのに…」
「お前絶対わかってねぇだろ」
すると何故か楠木に軽く睨まれてしまう。
「え?何がよ」
何も睨むことないじゃん。
それほど嫌だったの?
「お前が食べさせようとしてきたんだけど?」
はい?
食べさせようと…私が、食べさせようと……。
「……っ!?」
ようやく理解した私は、今まで一番恥ずかしくなり、今度は私から視線をそらして俯いた。
な、な、何大胆なことしてんだ私!
本当だ、私今楠木に対して…俗に言うあーんってやつを…付き合ってもないのに…!
恥ずかしさでいっぱいになり、逃げ出したくなる。
無理、死にそう。
どうして私は後先考えずに行動してしまうんだ。



