やっとの思いでパフェにした私の方を楠木は見つめながら、優しく笑った。
「なんか可愛いな」
バカにしたようでも、冗談そうでもなく。
自然と口からこぼれたような、そんな感じに見えた。
「可愛くなんてないから」
「どうだろうな?でも良いもの見れた」
今度は嬉しそうに幼い笑顔を浮かべる楠木。
ああ、心臓に悪い。
胸の高鳴りを隠すようにして、私は店員さんを呼ぶ。
楠木もスイーツを頼んでいたけど、大人の味のティラミスにしていた。
苦味のあるスイーツなら食べれるのか。
覚えておこう……って、何考えてんだ私!
覚えておいたら、また楠木に作るってことになってしまう。
今の私、少し変だ。
だけどこれは全部、スイーツの誘惑のせいだと無理やり思うことにした。



