階段を上り、最上階に着く。
これでいなかったら、本当に屋上かもしれないなと思い、完全に気を抜いていたその時。
突然後ろからグイッと引っ張られるような感覚がし、体重が後ろに傾いた。
倒れる。
そう思い、ぎゅっと目を閉じるとふわりと何かに包まれた。
「捕まえた」
低い声が耳元で囁かれる。
聞きれた人物の片腕が、後ろから私を引き寄せ肩を抱く。
ああ、なんという失態。
完全に油断していた。
「何してんの」
「後追ってきたやつを捕まえただけ」
「話がしたいだけだから離せ」
「無理」
離れようとするけど力が強くて敵わない。
「こんなところで何してんの?」
諦めて、理由を聞くことにした。



