冷たい彼の溺愛は、2人きりのときに。





「なぁ楠木、田城さんと絶対付き合ってんだろ〜?」



「お似合いだよな。
どっちが告ったんだ?」



男子に至っては付き合った前提で話しかけてるし。



お願いだから否定してほしい。
付き合ってないって。



そう一人で願っていると…ガタンと音を立て、楠木が立ち上がった。



そして、表情一つ変えずに食べ終えたのかわからないお弁当を鞄に直す動作をした。



「おい秀哉〜、なんか言えよな」
「まだ弁当食べ終わってないだろ?」



どうやら楠木は食べるのを中断したらしい。



その男子たちの言葉さえ無視して歩き出してしまう。



私はそんな楠木を見て、少しばかり安心していたというのに…。



「……あ」



突然何かを思い出したかのようにピタリと足を止める楠木。



そして面白くなさそうな顔をする男子たちの方を振り向いた。