付き合いたくないから、方法を探すんだっていうのに。
楠木はそんな私を余裕そうに見つめてくる。
「誤解されても付き合わない」
「恋人みたいなことしてるのにか?」
「それは…!あんたが勝手にやってるだけでしょ!」
こっちの身にもなってよ。
ここ数日で楠木に何回迫られたと思ってんだ。
しかも強引で、私に拒否権なんてない。
「照れてたやつがそれ言うかよ」
「……っ」
まさに、楠木の言った通りで。
その通り過ぎて、何も言い返せなくなる。
代わりに顔が熱くなり、まさに今みたいなことも指すのだろう。
「照れ症」
「う、うるさい!容姿だけはいいあんたが悪い!」
性格は本当に無理だ。
強引な楠木のこと、私は好きになれない。



