「どうした?」



気づいているのか、いないのかはわからなかったけど、楠木が気にしていないのは事実だった。



そりゃ楠木には影響なんてないからね!



「じゃあ私はこれで」



付き合ってると思われないように、わざと男っぽく手を上げて去ろうとするけど、上手くいくはずもなく。



「なんで先行こうとすんだよ?」



こいつはまた余計なことを言う。



「別に一緒に行く間柄でもないし」
「つれねぇな、お前」



「あんたにどう思われようが関係ないんで」



ふんっ、どうだ言ってやったぞ。
私だって言う時は言うんだ。



少しスッキリした気持ちでまた歩き出そうとするけど……。



「そんなにお前って俺と手つないで行きたいのか。
昨日みたいに」



楠木の言葉に思わず足を止める。
こいつは…!!