“気をつけろ”と言うのが、どういう意味なのかいまいちわからないんだけれど。
とりあえず、はい、と返事をした。
普通にしていれば、たぶん大丈夫…だよね?
「緋奈ちゃん、俺たちがちゃんと守るからね。でも優介が言っている通り…できるだけ横沢には警戒して…あまり2人きりにならないでほしい。」
さ、坂口くんまで。
あたしは、いつも教室ではみんなと一緒で、横沢くんとは席が隣同士なだけだから。
あ、あとしばらく実行委員も一緒だけど…。
普通のクラスメイトっていうところに変わりはないと思う。
「わ、わかった。」
「よーし!文化祭の準備張り切ってやろーう!」
陸くんが笑顔で、おーっ!と拳を空へ突き上げた。
あたしも控えめに拳を上にあげて、陸くんに乗った。
「あ…もう駅に着いちゃう。」
5分の道のりはあっという間。
この大きな交差点を右に曲がれば駅通りで、高めのビルやマンションが聳え立ち、通りの突き当たりに大きな駅の建物が見える。