「じゃあ今日は、駅までみんな一緒に行こうよ。そんなに距離はないけど…。」


「坂口くん…。」


「そうだね!僕たちできるだけ緋奈ちゃんと一緒にいたいからさっ!」



坂口くんの提案に、陸くんが右手でグーを作って左の手のひらにぽんっと重ねた。


できるだけ一緒にいたいって言ってくれるなんて…嬉しいな。


坂口くんの陸くんの気持ちが嬉しくて、ニコッと笑ってお礼を言った。



「あ、ありがとう。お願いします。」



「よし、さっさと行こうぜ。俺もう腹減った。」



自分のお腹に手を当てた相葉くんが急かす。


みんなとバイバイすることに名残惜しさを感じつつも、あたしはみんなに連れられて駅に向かって歩き始める。



「お前、本当に横沢には気をつけるんだぞ。」



ゆるやかな坂道を登っているところで、あたしの左隣を歩いている滝本くんがそう言った。



「は、はい…。」