滝本くんは、少し焦った様子の横沢くんの声を遮った。



「ほら、行くぞ。」



そして滝本くんはくるっとあたしの方に体を向けて、そういうとあたしの腕を掴んで歩き始めた。


あたしは滝本くんにされるがまま、足を前に出すしかなかった。


じ、状況に追いついていけない…けど…!



「あ、横沢くんっ、またあしたね…!」



怖い表情をしている滝本くんは呼び止めても聞いてくれなさそうなので、とりあえず横沢くんに急いで別れの挨拶をした。



「…_____チッ」



あたしたち2人の背後で、横沢くんが舌打ちをしながらこちらをじっと睨み付けていたことは知らずに、その場をあとにした。




「た、滝本くん…っ」



あたしの腕を引っ張ったまま、滝本くんが自分のペースでずんずんと前に歩き進むものだから、あたしは速足になってしまう。



「ま、まって…!」