あたしが首を傾げると、翔くんは少し困った顔で首を横に振った。



「い、いや、ダメじゃねぇけど!…か、考えとく…。」


「へへっ」



やったあ。


そうしたら、もっともっと翔くんと長く一緒にいられる。


お母さんにも、翔くんのことをいつか紹介したいなあ。


あたしの、素敵な彼氏だよって。


再び翔くんの背中に腕を回すと、それにこたえてくれるように翔くんもまたあたしを抱きしめてくれた。


そして、翔くんは体を離すとあたしの頬を両手で包み込んだ。



「…緋奈。」



翔くんと、これからもずっとずっと一緒にいたい。


少しずつ、一緒に大人になっていきたい。



「…緋奈、好きだよ。」


「へへ、あたしも。翔くんが好き。」



お互いににこりと微笑んで、今日何度目になるかわからない、愛がたっぷりのキスをして。


大好きな人の温もりを感じられる喜びを噛みしめた。





END