「…んーっ、美味しいっ!」



なんでケーキって、こんなにおいしいんだろ。


毎日でも食べたいくらい。


幸せだぁ。



「よかったな。」



食い気たっぷりにケーキを頬張るあたしに、翔くんはふっと微笑みかけた。


優しい表情…もう、すごくドキドキしちゃうから心臓に悪いよ…!


あたしはぽかんと口を開けて翔くんに見惚れてしまった。


すると翔くんは、やれやれと呆れたような表情であたしの方へ手を伸ばす。



「へ…?」


「…こどもみてぇ。」



頬を指ですくわれた感覚。


…生クリームだ。



「わ、ありがとう…っ!」


「どーいたしまして。」



翔くんは口角を上げると、拭き取った生クリームをぺろりと舐めた。


…なんだか、色気がある感じ。


食い気しかなくて子供っぽいあたしとは正反対で…やっぱり見惚れちゃう。