緋奈を見るたびに、可愛いって思う気持ちが止まらない。


顔には出さないようにしてるけど、心の中ではいつもデレデレしてしまってる。


…キモいな、俺。


俺は…緋奈にベタ惚れしてると思う。


今も、すぐ抱きしめたい気持ちを抑えて、小さな緋奈の歩幅に合わせて隣を歩いている。


…ああ、そうだ。


緋奈の16歳の誕生日。


誕生日は、無事に歳を重ねられるめでたい日、当然お祝いするべきだ。



「…なあ。」


「なぁに?」


「お前の誕生日…何がしたい。」


「へっ?い、一緒に過ごしてくれるの?」


「当たり前だろ。」


「へへ…嬉しい。」



一緒に過ごしてくれるの、なんて…聞くまでもねぇよ。


緋奈は控えめなやつだ。


そんなところも可愛いけど。



「ううーん…したいこと、かぁ。」


「うん。なんかあるか?」



川嶋とやってた誕生日パーティーでも、どこかに出かけるのでも。