「その…あたし、相葉くんのことが好きなの…っ」



あたしはスクバの持ち手をぎゅっと握りしめた。


恥ずかしい恥ずかしい。


好きと言葉にするたび、自分の感情を再確認しているようで、顔が熱くなる。


すると滝本くんはあたしにも伝わるくらい、柄にもなくガックリと肩を落とした。


な、なんでだろう…?



「はあぁっ!翔かよ…。」


「えっ…?!」


「あ…いや、悪い。よりによって女嫌いの翔が好きとか、なんか意外で。まあ…頑張れよ。」



意外かぁ、まあそうだよね…。


けど…女の子が嫌いだという相葉くんは、実は優しくて頼もしくて…とにかく素敵な人だもん。


滝本くんの頑張れよって言ったその声がなんだか力強くて心にしみて。


あたしは胸の前でぎゅっと拳を握ってお礼を言った。



「うん…ありがとう。」