「絶対ないと思うけど、仮に優介が駄々こねたりしたら僕がこてんぱんにやっつけるから!」



2人が一生懸命にそう力説してくれて…あたしはうっかり泣きそうになった。


本当に、なんて…いい人たちなんだろう。


そんなふうに言ってくれるなんてあたしにはもったいなさすぎるよ。


感謝しかない。



「ありがとう…っ」



あたしは涙目で、2人に頭を下げた。


きちんと、伝えよう。


2人が背中を押してくれたおかげで、勇気を出そうと思えた。


坂口くんは背中をさすってくれて、陸くんは頭を撫でてくれた。


そしてあたしが落ち着くまでと、2人はずっとそばにいてくれた。


本当に、ありがとう。



「坂口くん、陸くん。ありがとう!また明日ね!」


「緋奈ちゃんまたねっ!」


「気をつけて帰ってね。また明日!」



しばらくして、あたしたちは教室を出ていつも通り校門でわかれた。