ど、どうしよう…。


ちらりと隣の陸くんを見ると、あたしの状況に気づいてくれたみたいで。


けど、彼もあたしと同じ接客なのでお客さんから離れられず。


って、ばか、あたしなに陸くんに頼ろうとしてるの…!


自分でどうにかしないと…とりあえず注文してもらわないと…!



「あれ、聞いてるー?」


「おーい!」



他校生に返事できないでいると、捲し立てられてしまいあたしはさらにパニックに。



「あ、あの「ご注文は?」



あたしの声を遮ったその声はあたしの頭上から発せられた。


あたしは後ろを振り返る。


声の主は、相葉くん。


その声は、いつにも増して低くて…そして表情もとても恐ろしかった。


ああ…大勢の男の子たち相手になにも言えないあたしを助けてくれたんだ。


…相葉くん、一応目の前にいる人たちはお客さんなのに、すごい剣幕だ…。