2人揃って、口に手を当ててあくびしてる。


まさか、みんなもこんなに早く登校するなんて、ちょっと意外かも。



「緋奈ちゃんおはよう!今日は楽しみだね。」


「おはよう坂口くん。楽しもうね!」



坂口くんはかがんで上履きに履き替えながら、上目遣いであたしの方を見て…微笑んでくれた。


あたしも坂口くんの笑顔につられて、ニコッと笑った。



「緋奈ちゃんおはよう!早く教室行こっ!」



すると、坂口くんの後ろにいた陸くんがあたしの方へ駆け寄ってきて、そして、がばっと肩を抱かれた。


陸くんがあたしの肩を引き寄せている状態。



「わっ!お、おはよう…!」



今の今までニコニコ笑顔だった陸くんが、滝本くんと相葉くんの方に視線を移すと、その笑顔が消えた。


2人がまだ眠そうだから…だと思う。



「もうっ!優介!翔!いつまで寝ぼけてんの?!今日文化祭だよ!?早く起きろー!」