「だって、なんて返事したらいいかわからなかったんだもん……」
今日はユウリくんが通う高校の学園祭だ。
昨日、学校帰りに急遽買ったワンピースを着た私は、鏡の前で半べそをかいていた。
電話の相手はたっちゃんだ。
たっちゃんは昨日風邪で学校をお休みして、今日もベッドの上から離れられないらしく、いつも以上に毒舌が止まらない。
『ケホ……ッ、あのねぇ……。返事なんてイエスかノーだけでしょ、バカだね。全く美織はほんとにグズなんだから、あり得ない……』
バカとグズ、あり得ないのトリプルコンボ。
でも今は何を言われても、反発する気持ちにもなれなかった。