「ミオ、ほんとに大丈夫? やっぱり歩きにくいんじゃ……」

「え……あ、う、ううん! 大丈夫! 問題なしです!」

「……そう?」


なにこれ、やっぱりなんだか、おかしいよ。

前を歩くユウリくんを見ているだけなのにドキドキが収まらなくて、身体が勝手に熱くなる。

もしかして、風邪でも引いたかな……?

そんなことを考えながら額に手を当てると、ひんやりとしたシーグラスの冷たさが、やけに心地よく感じた。

振り返ると、茜色に変わり始めた空が目に入る。

きっと、明日もよく晴れた日になるんだろう。

前を行く背中を追いかける足を速めれば、やっぱり胸の鼓動が速くなって何故か頬が熱くなった。