そして残り10秒。


2人が一気に動き出した。


「斗真!」「颯人!!」


一瞬の隙をついて出した
颯人君のパスは斗真へと渡った。


「斗真…!頑張れ!!!」


残り3秒。


コートの中央に近い場所から
放った斗真のシュートは、
ピー――っという試合終了の
合図を知らせる音と同時に
ゴールへ吸い込まれた。



「キャーーーー!!」


大きな歓声と大きな拍手が巻き起こった。


「やったーーー!!勝ったよ!!
やったね!莉子!!!」


「本当によかったーーー!!」


私達はギャラリーで抱き合った。


ふとコートに目を移すと
メンバーに囲まれた斗真が
こっちを見て微笑んでいた。