「美桜あったかい。」


眠かったのか、
少し甘い声を出したかと思えば
スース―と寝息が聞こえてきた。


「キャー――!」


と歓声をあげ、カメラを構える女子たちをも
気にする様子はなかった。


一体…なにごと。


訳が分からないまま、
お昼休み終了5分前のチャイムが鳴ったから
斗真を起こして、
私は自分の教室へ戻ろうとした。


…んだけど、斗真に腕を引っ張られ


「美桜、好き。」


おでこにチュー頂きました。


おまけにその笑顔はとびっきりの破壊力。


何人か倒れた人が出たくらい。


ってのは嘘なんだけど、
鳴りやまない歓声と
ニコニコの斗真を背に、
私はやっとこ教室へ戻った。