動揺しすぎる自分が嫌になってきた…
なんか私から話した方がいいかな

「あの…」

「あ、電車来た。また学校でね」

電車が来たせいで私の声はかき消されてしまった。
でも、やっぱりかっこよかったなあ。

「また、学校でね。か…」

誰にでも言ってそうな挨拶的な言葉
これに何度騙された事か。
学校でしゃべる事も無いだろうし、あまり気いしないでおこう。





次の日_____




昼休み、お弁当を食べ終わった後に一人で裏庭に来ていた。
今日は昨日と違って暖かくて心地いい。
昨日…先輩かっこよかったな。

「だめだだめだ。思い出すな。」
「うおっびっくりしたー」
「え!?」

急に男子の声がして反動的に声が出てしまった。
え、なになに。私だけじゃなかったの!?

「お、昨日の子じゃん。やほやほ」

木陰からひょこっと顔を出し
ひらひらと手を振ってきたのは昨日の先輩だった。
そんな所に寝てたら気づかないわけだ…

「あ、どうも」

「なになに?何を思い出してたの?」

そのまま私の横にちょこんと座って
顔を覗いてきた。
ちょ、ちょ近いって

「別になんもですよ」

恥ずかしすぎて、顔をそらして、ちょっと離れた。
あからさますぎて絶対怪しまれてる。

「なんで離れるのさ。あ、もしかして照れちゃった??」

もうなんなのこの人
絶対女慣れしてるでしょ

「赤面症なだけです。」
「そうなの?」
「はい。」

好きとかじゃなくても、男子が近かったら
すぐに赤くなっちゃうし、照れたように顔をそむけてしまう

「なんだ、俺だけじゃないのか。」
「違いますよ。」

こんな軽々しい人だったんだ…
イメージと違ったな…
でもかっこいいことには変わりはない。