「いってきます。」

肩を落として学校へと歩く。

「ま、い、か!」

「わ!圭?びっくりさせないでよー!」

「そんな顔してたら、幸せ逃げるよ!元気出せよ!
元気!」

「別に、元気だし…。そういうスポーツマン乗り嫌い。紡なら…あ、ごめん。」

「いいよ、別に。さ、学校行こう!」

「ちょっと!別に圭と学校行くなんて言ってないんだけど…」

圭は、毎朝ウザイくらいに話しかけてきて、今みた

いな会話を続けている。

だけど、私が圭のスポーツマン乗りにいらついたと

き紡の名前を出すと、決まって寂しい顔をして、話

を変える。

紡は、中1のとき、手紙を残して去っていった私と圭

の幼なじみ。スポーツマン乗りで、うるさい圭とは

違い、優しくて誰の話も優しく聞いてくれる紡と私

は良く無意識に比べてしまう。