―――元気でね


香織の言葉を胸に、私と龍斗はアメリカへ。

私がまずアメリカで当たった壁は言葉の壁。
日本で教師がいってる英語は聞き取れたけど、実際に本場の英語を聞くと全然わからなかった。

ちょっとした単語が途切れ途切れ聞き取れれる程度だ。
速くて全然わからない。

それでいつも対応しているのは龍斗。
毎日毎日、龍斗に迷惑ばかりかけていた。


「美姫、こちらはMr.ビルバー。母さんが経営してるこのホテルの管理者だ。俺達はこれから、このホテルの最上階に住むからな。」


「み、美姫です!よろしくお願いします!」


私は深々と頭を下げた。ビルバーさんは背が高くてもう50代くらいのおじさんだ。


「アナタガ美姫デスカ??龍斗のオヨメサンデスネ!
ワタシハ、マイク・ビルバーデス。
コチラコソ、ヨロシクオネガイシマス。」


片言だけど、日本語をはなしている。
私はそれに驚いた。