それは俺の精神的なものなのか。はたまた肉体的なものなのか。

それは分からないけれど、とにかく痛かった。

ふっ、と息を吐き、覚悟を決める。元々、このつもりだったんだ。最後のデートにするためだったんだから。

だけど、俺から別れを告げればよかった。俺が早く言わなかったばかりに、心を泣かせてしまっている。

苦しめてしまっている。


「……分かった。」


心の涙をそっと、親指で拭う。頬を撫でるように。


「別れよう。」


きっと、もうすぐすれば俺じゃない男が隣に立つだろう。

心の魅力は、周りの人間が1番理解しているから。

もしも、そうなった時は。こうして泣いている心の涙を拭うのは俺の役目じゃない。




永遠を望んでいた。馬鹿みたいに愚直に。

なんて、脆くて儚い理想だろうか。