外を見れば、先程まで土砂降りだった雨は、小雨になっていた。

翔真が、外をみる。そして、自分の腕時計に視線を移す。

「そろそろ帰れ、心。もうすぐで暗くなるから先に帰れ。

………………最後は、辛いだろ?」

翔真は悲しそうに笑って、言った。


____最後は、辛いだろ?


そのままの意味だ。最後の1人になるのは、辛いだろう?と。

この人は、どこまで優しい人なのだろう。


「じゃあな、心。

また明日、学校で。」


『うん。また明日。』



私に明日は来ない。だって、私は、明日から隣県の病院に入院するのだから。

もう、翔真と同じ学校に通うことは無い。



ごめんね、翔真。


さようなら、私の初恋。



翔真。我儘な私を許して、なんて言わない。だから、どうか。君の幸せを遠くから祈ることだけは、させてください。





大好きでした。