まずは着慣れない服に身を包んで試着室から出てみる。
淡い水色のジャケットと膝丈のスカートのセットアップ。
ところどころにレースがあしらわれていて、よそゆき感はある。
「ど、ど、どうでしょう」
ドキドキしながら小太郎さんと椿さんに見せてみる。
「とってもいいですよ!淡い色が似合うのかも」
褒めてくれる彼女と違って、彼はいまいちピンと来ていない顔をしていた。
眉を寄せて、うーん、と腕を組んだ。
「ジャケットが堅苦しいような」
「んー、そうねぇ、もう少しカジュアルでもいいのかな?」
今度はベージュと黒の切り替えが入ったツートンカラーのワンピースを渡される。
ノースリーブなので、チュール素材の羽織ものも一緒に受け取り、全部身につけてみたものの。
「似合わなくはないけど」
と、小太郎さんはさっきと同じような顔をしていた。
「えー!私はけっこういいかもって思ったんですけど」
「じゃあそれにすれば?」
そう言われると、なんだか癪に障る。
ムッとした感情が思いっきり顔に出ていたのだろう、椿さんが「まあまあ」と私と彼の肩をポン!と叩いた。
「まだまだ服はあるから、着てみましょ」
─────と、本日五着目の深みのある落ち着いたオレンジのワンピースを着る。
胸下に同色の柔らかいベルトがついていて、袖は7分丈ではあるがシアーな素材で透けて見えておしゃれだった。
首元は狭めで、丈は長め。
これもダメなんだろうな、と半ば諦めたようにバサッと試着室のカーテンを開くと。
明らかに小太郎さんの表情が違った。
そして、彼より先に椿さんが一段と明るい声を上げた。
「えっ、これいーい!すごく似合ってる!パステルカラーが似合うのかと思ってたけど、オレンジもすごくいい!」
「僕もこれがいいと思う」
やっと、彼がうなずくのが見えた。
淡い水色のジャケットと膝丈のスカートのセットアップ。
ところどころにレースがあしらわれていて、よそゆき感はある。
「ど、ど、どうでしょう」
ドキドキしながら小太郎さんと椿さんに見せてみる。
「とってもいいですよ!淡い色が似合うのかも」
褒めてくれる彼女と違って、彼はいまいちピンと来ていない顔をしていた。
眉を寄せて、うーん、と腕を組んだ。
「ジャケットが堅苦しいような」
「んー、そうねぇ、もう少しカジュアルでもいいのかな?」
今度はベージュと黒の切り替えが入ったツートンカラーのワンピースを渡される。
ノースリーブなので、チュール素材の羽織ものも一緒に受け取り、全部身につけてみたものの。
「似合わなくはないけど」
と、小太郎さんはさっきと同じような顔をしていた。
「えー!私はけっこういいかもって思ったんですけど」
「じゃあそれにすれば?」
そう言われると、なんだか癪に障る。
ムッとした感情が思いっきり顔に出ていたのだろう、椿さんが「まあまあ」と私と彼の肩をポン!と叩いた。
「まだまだ服はあるから、着てみましょ」
─────と、本日五着目の深みのある落ち着いたオレンジのワンピースを着る。
胸下に同色の柔らかいベルトがついていて、袖は7分丈ではあるがシアーな素材で透けて見えておしゃれだった。
首元は狭めで、丈は長め。
これもダメなんだろうな、と半ば諦めたようにバサッと試着室のカーテンを開くと。
明らかに小太郎さんの表情が違った。
そして、彼より先に椿さんが一段と明るい声を上げた。
「えっ、これいーい!すごく似合ってる!パステルカラーが似合うのかと思ってたけど、オレンジもすごくいい!」
「僕もこれがいいと思う」
やっと、彼がうなずくのが見えた。



