「いらっしゃいませ」
落ち着いた女性の店員さんの声がすぐに聞こえ、そこにはオシャレで綺麗なネイビーのワンピースを着た人が出迎えてくれた。
丁寧に施されたヘアセットもメイクも、完璧。
女の私でも見惚れるような、ザ大人の女性だった。
その女性は、出迎えてくれた時はふわっとした笑顔だったものの、私の隣にいる小太郎さんを見るなり、みるみるうちに呆然とした表情へと変わった。
「─────…え!?三上くん!?」
「……椿ちゃん!?」
「嘘でしょ!?本当に三上くんだよね!?」
急に同窓会みたいな雰囲気になった二人の間に入れず、私は口を挟んではいけないのでは、と一歩引いてしまった。
「やだあ!久しぶりですー!聞いてはいたけど、警視庁に配属になったって。そこから全然会えなくなったから」
親しげに美女が小太郎さんの肩を小突く。
彼はというと、曖昧にうなずくだけだった。
「ご無沙汰だったね。椿ちゃん、元気そうだね」
盛り上がっている二人の間には、昔から知っているような和気あいあいとした空気が流れている。
「そうかー、ここが椿ちゃんの職場なんだね。すごい偶然だなぁ」
「今日はまたどうして?彼女の服の見繕い?」
「う〜ん…」
女性の問いかけに、小太郎さんは分かりやすいほどにふわふわとした微妙な反応を示した。
そんな彼はもう放っておいて、私は店員の彼女に控えめながらも、もぞもぞと来店した目的を伝えてみる。
「友達の結婚式に着ていく服を探しています」
「なるほど、ハレノヒに合うようなお洋服ですね」
彼女はすぐさま、何着かササッと素早く両手にハンガーを掛けながら候補になりそうな服を選んでゆく。
店内には店員は彼女しかおらず、この遅い時間帯はひとりで店頭に立っているのかもしれないと悟る。
小太郎さんはというと他人事のように店内をぶらぶらと歩き回り、これといったアクションは起こしてこない。
落ち着いた女性の店員さんの声がすぐに聞こえ、そこにはオシャレで綺麗なネイビーのワンピースを着た人が出迎えてくれた。
丁寧に施されたヘアセットもメイクも、完璧。
女の私でも見惚れるような、ザ大人の女性だった。
その女性は、出迎えてくれた時はふわっとした笑顔だったものの、私の隣にいる小太郎さんを見るなり、みるみるうちに呆然とした表情へと変わった。
「─────…え!?三上くん!?」
「……椿ちゃん!?」
「嘘でしょ!?本当に三上くんだよね!?」
急に同窓会みたいな雰囲気になった二人の間に入れず、私は口を挟んではいけないのでは、と一歩引いてしまった。
「やだあ!久しぶりですー!聞いてはいたけど、警視庁に配属になったって。そこから全然会えなくなったから」
親しげに美女が小太郎さんの肩を小突く。
彼はというと、曖昧にうなずくだけだった。
「ご無沙汰だったね。椿ちゃん、元気そうだね」
盛り上がっている二人の間には、昔から知っているような和気あいあいとした空気が流れている。
「そうかー、ここが椿ちゃんの職場なんだね。すごい偶然だなぁ」
「今日はまたどうして?彼女の服の見繕い?」
「う〜ん…」
女性の問いかけに、小太郎さんは分かりやすいほどにふわふわとした微妙な反応を示した。
そんな彼はもう放っておいて、私は店員の彼女に控えめながらも、もぞもぞと来店した目的を伝えてみる。
「友達の結婚式に着ていく服を探しています」
「なるほど、ハレノヒに合うようなお洋服ですね」
彼女はすぐさま、何着かササッと素早く両手にハンガーを掛けながら候補になりそうな服を選んでゆく。
店内には店員は彼女しかおらず、この遅い時間帯はひとりで店頭に立っているのかもしれないと悟る。
小太郎さんはというと他人事のように店内をぶらぶらと歩き回り、これといったアクションは起こしてこない。



