という、私のちょっとした愚痴をマキさんに休憩室で話してみた。
マキさんはというと、ブラックコーヒーを飲みながら
「むしろ、彼が美羽ちゃんの警護についてから、うちの店は万引き犯もガンガン捕まえてくれて。あと見回りっていうのかな、そういうのしてくれてるおかげなのか、棚卸しの誤差も明らかに変わったんだよね」
とありがたそうに笑った。
たしかに、彼のおかげで「世の中にはこんなに万引きしようとする人や、万引きしてしまう人がいるのか」と思い知らされるほどには、かなりの人数を捕まえた。
そして、悲しいかな万引きを試みる人はなにも貧しい人に限られているわけではない。
老若男女、いうなら裕福な家庭の人が万引きしようとしたり、してしまったりする。
父は仕事の話は家では絶対にしないので、このように犯罪を目の当たりにすると驚くことばかりだった。
「それに、彼が警護の仕事をおざなりにしてうちの仕事手伝ってくれたとして、その時に美羽ちゃんに何かあったら誰がどうなるの?彼が責任を取らされるんじゃないの?」
「私の身には何も起こりませんよ」
「そんなの分からないでしょ?」
まるで母のような眼差しで心配してくれているマキさんの気持ちは痛いほど感じたが、それでも私には自分に危険が及ぶとはまったく思っていない。
なにしろ、今までもそんな危険な目にあったことは、ほとんどない。
…あの、クラブでの失態を除いては。
マキさんはというと、ブラックコーヒーを飲みながら
「むしろ、彼が美羽ちゃんの警護についてから、うちの店は万引き犯もガンガン捕まえてくれて。あと見回りっていうのかな、そういうのしてくれてるおかげなのか、棚卸しの誤差も明らかに変わったんだよね」
とありがたそうに笑った。
たしかに、彼のおかげで「世の中にはこんなに万引きしようとする人や、万引きしてしまう人がいるのか」と思い知らされるほどには、かなりの人数を捕まえた。
そして、悲しいかな万引きを試みる人はなにも貧しい人に限られているわけではない。
老若男女、いうなら裕福な家庭の人が万引きしようとしたり、してしまったりする。
父は仕事の話は家では絶対にしないので、このように犯罪を目の当たりにすると驚くことばかりだった。
「それに、彼が警護の仕事をおざなりにしてうちの仕事手伝ってくれたとして、その時に美羽ちゃんに何かあったら誰がどうなるの?彼が責任を取らされるんじゃないの?」
「私の身には何も起こりませんよ」
「そんなの分からないでしょ?」
まるで母のような眼差しで心配してくれているマキさんの気持ちは痛いほど感じたが、それでも私には自分に危険が及ぶとはまったく思っていない。
なにしろ、今までもそんな危険な目にあったことは、ほとんどない。
…あの、クラブでの失態を除いては。



