「千夏ー！おめでとうー！」

華やかで綺麗なドレスを着た幼なじみへ、口々へみんな祝福の言葉を投げかけていた。
オフショルダーのAラインのウェディングドレスは、千夏にとてもよく似合っていた。

今日は幼なじみの千夏の結婚式。

人前式で誓いの言葉をかわし、新郎との誓いのキスは千夏の頬へ。

フラワーシャワーを浴び、これ以上ないほどに笑顔が溢れる千夏は、どこからどう見ても美しかった。


歩く時にドレスに引っかからないように新郎がしっかりと千夏の腕をとり、そしてゆっくり歩いている姿は、支え合うこれからの二人を象徴しているみたい。

「素敵だなあ」

と、自然に言葉が出てくるほど。


「美羽、来てくれてありがとう」

「ううん。呼んでもらえて嬉しかった。本当におめでとう。キレイだよ」

「ふふ、ありがとう。…ねえ、美羽。もうSPはいないの？」

昔から知っているからこその、素朴な疑問を花嫁から投げかけられ、私は思わず吹き出してしまった。

「……うん、もう、いないの」

そっか！と千夏はキラキラした笑顔で私に手を振るのだった。