間取りはどの部屋も同じだろう。
私の隣の部屋に半年以上は滞在していたのだ。
彼からすれば、このマンションの部屋の間取りなんて把握済みなのだろう。
「本当に絶対に嫌なら、もちろんやめるよ。すぐに帰るから。どうしようか?」
玄関に突っ立ったままの私の顔をのぞき込んで、きちんと意思確認は怠らない。
だがしかし、その目にはもうなにやら強い意志が宿っている。
「嫌じゃないです」
正直に、自分の気持ちを伝えるしかなかった。
「嫌じゃないんですけど、…怖い」
申し訳なくてうつむくと、彼の悩ましい声がした。
「うーん、初めてだとそうだよね」
「でも、どうしよう」
思い切って自分から抱きつく。
「帰ってほしくないです」
離れたくない本音が私の口からポロリと漏れ、そっか、と小太郎さんの大きな身体から響くような声が耳に届いた。
「そんなこと言われたら、僕も離れがたくなるよ。どうしたらいいんだろ」
という、困り果てて戸惑うようなつぶやき。
しばらく二人で玄関に立って抱き合っているうちに、あっ!と彼がなにかを思いついたらしく身体を起こした。
「ちょっと隣の部屋から着替え持ってくる!」
どういうこと!?と聞き返した時には、もう彼の姿はなかった。
私の隣の部屋に半年以上は滞在していたのだ。
彼からすれば、このマンションの部屋の間取りなんて把握済みなのだろう。
「本当に絶対に嫌なら、もちろんやめるよ。すぐに帰るから。どうしようか?」
玄関に突っ立ったままの私の顔をのぞき込んで、きちんと意思確認は怠らない。
だがしかし、その目にはもうなにやら強い意志が宿っている。
「嫌じゃないです」
正直に、自分の気持ちを伝えるしかなかった。
「嫌じゃないんですけど、…怖い」
申し訳なくてうつむくと、彼の悩ましい声がした。
「うーん、初めてだとそうだよね」
「でも、どうしよう」
思い切って自分から抱きつく。
「帰ってほしくないです」
離れたくない本音が私の口からポロリと漏れ、そっか、と小太郎さんの大きな身体から響くような声が耳に届いた。
「そんなこと言われたら、僕も離れがたくなるよ。どうしたらいいんだろ」
という、困り果てて戸惑うようなつぶやき。
しばらく二人で玄関に立って抱き合っているうちに、あっ!と彼がなにかを思いついたらしく身体を起こした。
「ちょっと隣の部屋から着替え持ってくる!」
どういうこと!?と聞き返した時には、もう彼の姿はなかった。



