「残念だったね、僕は完璧な人間なので。射撃でも優勝経験あるけど、いいの?」
ピリッとした緊張感が走る。
「撃ち合い、してみるか?」
サッと悠月が腕を下げてなにかを取り出そうとした。
その瞬間、小太郎さんの手が私の身体から離れる。
代わりにおそらく後ろにいた鬼塚さんがすかさず支えてくれた。
小太郎さんの右手には、もう拳銃はなかった。
地面に投げ捨てられているのが見えた。
彼がひったくり犯を捕まえた時みたいに、小太郎さんは悠月のもとへいち早く走る。
合図にするように他の警官も取り囲む。
悠月が懐から取り出したのは銃………ではなかった。
小型ナイフ。
ぎらりとした冷たい光を放つそれが、悠月の手に握られていた。
素早く走って飛びついた小太郎さんが、悠月のナイフをかいくぐって潜り込む。
しかし悠月も小太郎さんの背中にナイフを差し込もうとしていた。
先に組み手を完成させていた小太郎さんが、瞬発的に悠月の身体を宙に浮かべて円を描くように豪快な背負い投げを決める。
コンクリートの地面に力いっぱいに叩きつけられ、悠月の手からはナイフが転がり落ち、同時に白目を剥いているのも見えた。
端正な顔が完全に消え去っていた。
「まあ嘘だけどね。射撃は苦手でした〜」
って聞こえてないかー、と小太郎さんが笑うと、駆け寄ってきたツネさんと一緒に、もう意識がない悠月の腕に手錠をかける。
ピリッとした緊張感が走る。
「撃ち合い、してみるか?」
サッと悠月が腕を下げてなにかを取り出そうとした。
その瞬間、小太郎さんの手が私の身体から離れる。
代わりにおそらく後ろにいた鬼塚さんがすかさず支えてくれた。
小太郎さんの右手には、もう拳銃はなかった。
地面に投げ捨てられているのが見えた。
彼がひったくり犯を捕まえた時みたいに、小太郎さんは悠月のもとへいち早く走る。
合図にするように他の警官も取り囲む。
悠月が懐から取り出したのは銃………ではなかった。
小型ナイフ。
ぎらりとした冷たい光を放つそれが、悠月の手に握られていた。
素早く走って飛びついた小太郎さんが、悠月のナイフをかいくぐって潜り込む。
しかし悠月も小太郎さんの背中にナイフを差し込もうとしていた。
先に組み手を完成させていた小太郎さんが、瞬発的に悠月の身体を宙に浮かべて円を描くように豪快な背負い投げを決める。
コンクリートの地面に力いっぱいに叩きつけられ、悠月の手からはナイフが転がり落ち、同時に白目を剥いているのも見えた。
端正な顔が完全に消え去っていた。
「まあ嘘だけどね。射撃は苦手でした〜」
って聞こえてないかー、と小太郎さんが笑うと、駆け寄ってきたツネさんと一緒に、もう意識がない悠月の腕に手錠をかける。



