ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ

「うーん、まだ寝かせてー。ん、むむっ………。」

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ

「もう！うるさいってば!!」

ガチャンッ！

「んー、気持ち良い～！むにゃむにゃ…………んん!!やばい、寝過ごした!!」

時計を見ると時刻は５時。本来なら、今頃朝食の支度をしている時間だ。

急いで着替えて、髪を結んで部屋を出た。

ドンッ
「ふぎゃ!!!痛た…。すみません。」

ぶつかった方を見ると、そこには小さい男の子が。
「あら。ごめんね。怪我してない？」

駆け寄って怪我が無いかチェックする。
すると、膝を擦りむいて出血していたようで、ポケットからハンカチを取り出して、膝に巻き付けた。

「よし、これで大丈夫！」

それにしても、どうして宮殿にこんなに小さな男の子が。迷子かなと思ったけど、此処の警備は蟻一匹すら見逃さないほどに厳重だから、それはあり得ないだろう。

もしかして、宮殿に来たお客様のお子様かもしれない。

そう思って、隣を見たけど、既に男の子はいなかった。