会社創立50周年記念プロジェクトが立ち上がり、しばらく経った頃。




誰が発起人かはわからないけれど、突如プロジェクトメンバーで決起集会…という名の飲み会が行われた。





大きな会場を借りた飲み会の場。





いろんな部署の錚々たるメンバーがいるから、少し話をするだけでも刺激になる場。





始めはあーみんと一緒に回りながらいろんな人と話していたけど、いつのまにかあーみんとはぐれてしまい…




琉偉はどこだろう…と探していた、その時。





「君がデザイン課の倉科さん?」




声をかけられ振り返ると、そこには私を上から下まで舐め回すように見てくる男の人がいた。




うわー…なんだか苦手なタイプ…。




そう思った矢先、その人はニヤリと笑って言った。




「噂通り、可愛い子だね。キミ、結構社内で噂されてるからさ。」




…噂?



何の…??



「それより、これからちょっと抜け出さない?」



「え?あ、ちょ…」



酔っ払っているのか、私の腕を掴んで会場を出ようとする。



そんな時だった。




「加藤、それくらいにしとかないと、倉科の彼氏に怒られるぞ。」