「……ましろ、」
「なに、」
「少しくらいさ、好きな人の前でかっこつけさせてくれよ」
「…!!」
そういって、笑ってやるのだ。
ましろはぴしりと固まって、それから顔を真っ赤にした。なかったことにしようと思ったのに、と呟くから、そんなことさせねえよばーか、と思わず返してしまう。
「さっき、から、ばかばか言い過ぎ…っ」
あぁ、俺の愛した人はこんなにも可愛かったのか。
青ざめていた頬がほんのりと赤く染まっている。それは暑さのせい?それとも、自惚れていいのかな?胸が締めつけられるようだった。
「走るぞ。ましろ、俺に捕まれるか」
「…うん、」
ましろは真っ赤な顔を隠すように、優夜の首に腕を回してきゅ、と抱きついた。途端にましろの柔らかな髪の毛から太陽の温もりの香りがして、それを認識した途端にぼっと優夜は顔が熱くなった。