「妊娠の件はもういいじゃないか?玲於の本心がわかったんだから。もう玲於とは関わるな。俺からも里穂と別れるように言っておく」


「…うん、わかった。で、奏音との入籍はどうするの?」


「一応、日曜日に入籍することになってる」


「日曜日ね?じゃあ、その時私は行けばよい?」
私はその日の光景を目に浮かべ、不敵な笑みがこぼれる。


「ああ、時間はまた連絡するから」

冷静に答える翼はいつもカッコイイ。

私は元々、玲於よりも翼の方がはるかにタイプだった。しかも御曹司と知り、私の心に火がついた。カフェで出会ってから、玲於の事で相談があるとかこつけて何回も呼び出し会っていた。絶対に翼を自分のものにすると心に決めて、巧みに翼に甘えながら、翼のハートを掴んだという訳だ。


「翼は、誰にも渡さない」


「奏音、あなたを地獄に落としてみせる」