「どういう意味?私が嘘言ってるって言うの?」
里穂は急に怒りを露わにした。


「…ごめんね。じゃあ、この検査薬、今してみて」


私は以前に別の友人が妊娠騒ぎで、私の家に忘れて行った検査薬を思い出して、里穂に差し出した。


里穂の顔色は明らかに変わった。


「奏音、馬鹿にしないでよ」
里穂は隣りにいる玲於に聞こえるくらいの大きな声をだして、私に検査薬の箱を投げつけた。そして、ぎっと私を鋭く睨みつけ、ドタバタと大きな音を立てて帰って行った。



妊娠…嘘なんだ。
じゃないとあんな風にはならない。
私が初めて見た里穂の顔。
里穂なんで?
なんのために嘘をつくの?
悲しい……