「…奏音、なんもない。私はただ、玲於の態度に悲しいだけなの」 里穂は、声のトーンを落として言った。 「里穂、私は里穂の力になりたいの。玲於君とは終わりになっちゃうよ。いいの?」 「うん、もういい。私は1人で頑張る」 「1人なんて言わないで。今度病院いつ行くの?私、一緒に行くから」 「いや、大丈夫…1人で行くから」 頑なに拒む里穂。 「里穂………妊娠、本当なんだよね?」