カーテンの隙間から強い太陽の光が、私の顔を照らした。

「ま、眩しい」

私はそのままソファーで眠ってしまったようだった。ソファーの横には、玲於が気持ちよさそうに眠っている。


「玲於、起きて」
玲於の身体を少し揺さぶる。

「昨日はごめんね」
私は目を擦りながら言った。


「……ん?」


「玲於?」


「奏音、大丈夫か?」
突然、大きな瞳を開き、鼻筋の通った鋭い顔を見せる。


「うん、なんかよくわかんないや」
私はため息をつく。


「紅茶でいい?コーヒーがいい?」


「いいのか?紅茶でいいよ」


「もう、隣人ってバレてもいいでしょ?」


「でも、翼は………いいのか?」


「翼か、私にはもったいない相手だったんだよ。身分不相応だよ。里穂の方がお似合いだわ」


私は、レモンを輪切りにし2つのカップの紅茶に浮かべた。


「はい」


「ありがとう。奏音、翼に真実、確かめなくていいのか?」
心配そうに私に歩み寄る玲於。


玲於って、本当はこんな温かい可愛い表情するんだ。まるで今までのは、演技だったかのように破天荒な言動だったと感じた。


「し、真実か……玲於、知るのが怖い。怖いよ」


「なんかいい方法ないかな?」
玲於は真剣に考え始めた。

私は淡々と紅茶を飲む。