「あ、あとね、玲於の好きな人、奏音じゃないよね?って言ったら、青ざめてた」

私は激しく高らかに笑い出した。

「最後にあんたなんて大嫌いって言ってやったわ」


「おい、それはやり過ぎじゃないか?」
翼は少し動揺をみせた。


「大丈夫よ。奏音は絶対また私の様子見に来るから」
私はまたしても甲高い声で笑い出す。


「それにしても、お前も怖い女だな。奏音にそこまで復讐したいのか?」
翼は眼鏡を外し、両手で顔を押さえた。


「翼、今なんて言った?協力するって言ったのは翼なんだからね。忘れないでよね」


私は翼に鋭い視線を送った。


「最後まで全うして」


「わかった。任せとけ」