「玲於の好きな人は一体誰なの?」
私は恐る恐る聞いた。


「えぇー奏音ちゃんに決まってるじゃん。奏音ちゃん、結婚なんてするなよ」
私は撃沈した。


この人、第一印象と全然違うんですけど…もはやイケメンとは程遠い。
何もかもめちゃめちゃすぎる。
理解不能。


「何言ってんの?どうするつもり?里穂、泣かせないでよ」

私は玲於を軽蔑して見つめた。


「わ、私、言われちゃったよ。里穂に。玲於の好きな人、奏音じゃないよね?って…」


「なんだ。バレてたんだ。」
平然と答える玲於に苛立ちを覚えた。


「ちょっと、赤ちゃん出来たんだよ。男なら責任とりなさいよ」

私の全身は怒りでかなりの熱を放出していた。


「奏音ちゃん、知らない?俺の子じゃないかもしれない」
玲於は急に真面目に淡々と話し始めた。


「里穂は他に男がいたんだ。誰かははっきりとわからないがおそらく………」



「えぇー?嘘?里穂は玲於にぞっこんだったよ」

私は余りにも驚いて瞳孔が大きく開いた。



「おそらく………って誰よ?」