セレブ結婚の甘い落とし穴【完】



ガシャーン


「あ、ごめんね。手が滑っちゃった」


私は慌てて片付けようとしたが、里穂が駆け寄りそれを遮った。


「何、動揺してるの?」
里穂は冷たいこわばった表情で言った。


「図星だから?」


「何言ってんの?私は翼と結婚するんだよ」
私は必死で冷静を装いゆっくり話した。


「そんな結婚……ダメになればいい」


「え?里穂、今なんて?」
私は耳を疑った。


「帰って、私はわかってるんだから。あんたなんて本当は大嫌い!」