「奏音達に会う前に、妊娠したエコーの写真を持って行こうって思って。そしたら、何故か見つからなくて…」 「そ、そうなんだ。とにかく座って」 ピロロン 『無事に着いたか?玲於は、ダメだ。別れた方がいい。』 そんなLINEが届いたとはもちろん言えず、私は里穂を介抱した。 10分経過。 20分経過。 30分経過。 私は、ようやく里穂から離れ、立ち上がり、「お茶入れるね」と言った。 里穂はまだ顔を下に向け酷く落ち込んでいる。 「ね、ねぇ、奏音」 「ん?」 「玲於が好きな人、奏音じゃないよね?」